MM6 Maison Margiela(エムエムシックス メゾン マルジェラ)は、1997年に誕生したメゾン マルジェラのディフュージョンラインです。前衛的な親ブランドのDNAを受け継ぎつつ、日常に取り入れやすい実験的プロダクトを提案する姿勢が、多くのファッショニスタから支持を集めます。そのなかでもバッグは、ジェンダーレスな佇まいとユニークな構造美で装いを格上げする存在として人気を博しています。
ブランドを象徴するモデルが「Japanese(ジャパニーズ)」バッグです。2009年秋冬コレクションで初披露されて以来、三角形のフォルムと折り紙に着想を得たスナップボタン構造による“折って変形するデザイン”が話題となり、今やMM6を語る上で欠かせないアイコンになりました。
Japaneseバッグの魅力は、サイズと素材のバリエーションが豊富である点にあります。ミニ、スモール、ミディアム、ラージといった複数サイズが常時展開され、メッシュ、サテン、レザー、ナイロンなどシーズンごとに異なる質感を選べるため、スタイリングやライフスタイルに合わせた最適解が見つかります。またハンド、ショルダー、クロスボディへと持ち方を変えられるほか、側面のボタンを留めることでシルエット自体をコンパクトに変形できる機能性も、高い支持を得る理由です。
一方で、Japaneseバッグ以外のアイテムも見逃せません。たとえば、0から23までの数字を並べたナンバリングロゴを両面にあしらったキャンバストートはリバーシブル仕様で白い1本ステッチがアクセントとなり、書類やPCをスマートに収納できる実用性を備えます。メタルプレートに刻まれたナンバリングが印象的なレザーショルダーバッグはマグネット開閉と調節ストラップによりクロスボディまで対応し、控えめな矩形フォルムで静かなラグジュアリーを体現します。円筒形を再解釈したメッシュバケットは軽量で底のスナップボタンが自立性を高めるなど機能美が際立ちます。
いずれも削ぎ落としたデザインの中にホワイトステッチや素材の対比で個性を宿し、“名もなき日常”に寄り添う実験性を示すもの。Japaneseバッグを入口に、同ブランドらしい脱構築的ディテールとニュートラルなカラーリングで人気を集めます。折り紙の美学をモダンにアップデートし続ける姿勢こそが、MM6のバッグが長く愛される最大の理由と言えるでしょう。