Maison Margiela(メゾン マルジェラ)は1988年、マルタン・マルジェラによって設立された前衛的メゾンです。無記名の白ラベルやデコンストラクションの美学に代表される“匿名性”と“再構築”は、着用者の個性を引き立てるという哲学のもと現在も進化中。ジョン・ガリアーノ体制下でもこの精神は受け継がれ、アイウェアコレクションにも実験的エレガンスが息づいています。
メンズ向けサングラスの魅力は、削ぎ落とした造形に潜む二つの“記号”です。テンプル外側に施された4本ホワイトステッチ、そして内側に密かに刻まれた数字の「8」ロゴ。いずれもブランドヘリテージを示しながら過度に主張せず、スーツにもカジュアルにも溶け込む上品さを確保します。さらにGentle Monsterとの協業により、軽量アセテートと高精度レンズが両立し、掛け心地と視認性のバランスも優秀です。コレクション第3弾となる2025年春夏の新作では、メタリック素材やケーブルテンプルを採用し、クラシシズムとフューチャリズムの交差点を探求するアプローチが更に深まりました。
現行ラインで人気を集めるモデルは主に4型。柔らかなラウンドシェイプが特徴の「MM009(エムエムゼロゼロナイン)」は、知的でクラシックな佇まいがビジネスシーンにも適応。直線的なスクエアフロントの「MM010(エムエムゼロイチゼロ)」は、モダンなエッジを効かせたい都会派におすすめです。ボストン風の軽量オプティカルをベースにした「MM011(エムエムゼロイチイチ)」は、透明感のあるフレームと薄めレンズでリラックスした抜け感を演出。最後にカッティングを強調したティアドロップ調の「MM006(エムエムゼロゼロロク)」は、ヴィンテージとフューチャーを行き来するユニークなシルエットで、コーディネートの主役として機能します。
いずれのモデルもブランドの思想を凝縮しつつ顔立ちを選ばない普遍性を備えています。自分らしいスタイルを静かに語りたい大人の男性にこそ、マルジェラのサングラスは最適な選択と言えるでしょう。手縫いキルトから着想を得た専用ケースなど付属品にも遊び心が宿る点も見逃せません。