CHROME HEARTS(クロムハーツ)のアイウェアは、1988年創業の同ブランドが掲げる“ロックとラグジュアリーの融合”を最も日常的に体感できるカテゴリーです。ジュエリーやレザーウェアで磨かれたシルバー細工と職人主義は、2002年に本格始動したメガネラインにも完全移植され、著名人の着用を契機にコレクター層を拡大。広告に頼らずとも語り継がれる希少性と、ハリウッド工房での一貫製造という物語性が、現在も熱狂を生む最大の理由と言えるでしょう。
クロムハーツのフレームは、日本の眼鏡産地である福井県鯖江の技巧をベースに、スターリングシルバーやエボニー材、イタリアンアセテートなど選りすぐりの素材を組み合わせて製作されます。フローラルクロスやダガーといったアイコニックなモチーフはパーツごとに手彫り・手嵌めで配置され、磨き上げられた重量感が装飾品としての満足度を高めます。こうした徹底したクラフトマンシップこそが、同価格帯の他ブランドと一線を画す魅力です。
代表的なメンズ向けモデルを挙げると、まず「BAGGINS(バギンズ)」。力強いスクエアシェイプに細身のテンプルを組み合わせ、クロスパーツをフロント側面へさりげなく配した設計で、スーツスタイルでもカジュアルでも程よいエッジを添えてくれます。「DEEP II(ディープ ツー)」は、厚手のアセテートとメタルのブリッジを重ねたハイブリッド構造が特徴。重量を活かした安定感に加え、ヨーロピアンヴィンテージを思わせるワイドなリムが顔立ちを引き締めます。「CUMPTION‑A(カンプション エー)」は、キーホールブリッジと丸みのあるウェリントンで柔らかさを演出しつつ、テンプルエンドにシルバーパーツを忍ばせた抑制の効いた一本。「PEN 15(ペン フィフティーン)」は、フロントとテンプルを貫くライン状のシルバーワイヤーがグラフィカルで、ストリート寄りの装いに好適です。さらに「ASSTRAORDINAIRE(アストラオーディネール)」は、細身メタルに星型モチーフを散りばめた軽量モデルで、長時間装用時の快適さと個性の両立を図っています。
いずれのモデルも鼻幅やテンプル長を日本人向けに微調整したアジアンフィット仕様が用意され、眼鏡としての実用性にも妥協がありません。ビジネスシーンに映えるシルバーの輝き、週末のオフスタイルで際立つ大胆なモチーフ――クロムハーツのメガネは、掛ける人のライフスタイル全体を包み込む“アクセサリー以上プロダクト未満”の存在です。格式と遊び心を両立させたい大人の男性こそ、一本目として検討する価値があるでしょう。