スニーカーが圧倒的多数を占める昨今、あえて革靴を履きこなす男性こそ、本物の紳士。
カジュアルなスタイルにも簡単に取り入れられ、コーディネートを格上げしてくれる革靴は、現代紳士のマストアイテムです。
革靴特集では、今人気のブランドから注目を集めるトレンドブランド、用途に応じたデザイン別のご提案まで、幅広く紹介していきます。
TOP 12 BRANDS
パラブーツ
Paraboot(パラブーツ)は1927年にレミー・リシャールポンヴェールが良質な天然ラテックスを使用したラバーソールを製造し、同時にそのラバーソールを使った靴の製造を開始したことに起源を持つフランスの代表的シューズメーカーです。パラブーツの多くのモデルは登山靴にルーツを持ち、耐久性と履き心地を第一に考え作られています。油分を贅沢に含み、しなやかながら撥水に優れたリスレザー、水の侵入を許さないノルヴェイジャン・ウェルト製法など、素材から製法まで隙のないオールウェザー仕様。代表的モデルのUチップCHAMBOARD(シャンボード)はビジネスにもカジュアルにも合わせやすい汎用性の高さから、おしゃれ感度の高い日本で特に人気を誇っています。ドレスな表情で本国フランスでの人気を集めているAVIGNON(アヴィニョン)、チロリアンシューズをアレンジしたMICHAEL(ミカエル)やローファーのREIMS(ランス)といったモデルも忘れてはならない傑作。
オールデン
1884年にアメリカ・マサチューセッツ州にて創業したALDEN(オールデン)。カスタムシューメーカーとしてスタートしたアメリカ屈指の老舗ブランドで、足に問題を抱えた人でも楽に着用できる医療矯正靴の分野も開拓したイノベーターでもあります。アメリカ最古の紳士服ブランド、ブルックスブラザーズの靴を製造していたことから、当時アメリカントラディショナルが盛り上がっていた日本国内での人気が爆発的に高まりました。医療矯正靴のノウハウは現在の既製靴でも惜しみなく発揮されており、特にその系譜を色濃く受け継ぐモディファイドラストでは、快適な履き心地とオールデンの歴史の一端を体感することができます。モディファイドラストでVチップの54421、バリーラストかつコードバンを用いたプレーントゥの990、トラディショナルな装いに欠かせないペニーローファーなど、製品としての魅力だけでなく、創業から現在に至るまで頑なにメイド・イン・USAを守り続ける誇りと、流行とは無縁の完成された佇まいに多くの紳士が心を掴まれています。
ジョンロブ
卓越したアイデアと技術でその名を世に知らしめていた靴職人のジョン・ロブ氏が1849年にイギリスにて創業したJohn Lobb(ジョンロブ)。1902年には2代目がパリに支店を開設、そして1976年にはその技術の高さにほれ込んだエルメスがパリ支店を職人共々エルメス本店内に迎え入れ、1981年には既製靴の生産も開始しました。徹底的に品質を追求したその靴は、極上の革を用いるだけでなく、コンマ数ミリのステッチにもこだわり、一切の妥協を許さずに作られているとのこと。そんなジョンロブではPHILIP II(フィリップ2)やストレートチップのCITY II(シティ2)やダブルモンクのWILLIAM(ウィリアム)が定番人気のモデルとして親しまれています。
クラークス
Clarks(クラークス)の歴史は、およそ200年前の1825年まで遡ります。究極の心地よさを求め、羊の毛がついたままの革でスリッパを作り、その革新的な履き心地があっという間に評判を呼びました。スリッパメーカーから靴メーカーとして成長を遂げた後も、「快適な履き心地を届ける」という思いは変わっていません。Desert Boot(デザートブーツ)が発表された1950年代当時、ドレスシューズかワークシューズの両極端しか存在しなかった世界で、初めて「カジュアルな靴」として世に提案され、爆発的なヒットとともにカジュアルシューズの概念を定着させました。その後、ドイツの靴メーカーSiouxのモカシンから着想を得たモカシンシューズWallabee(ワラビー)を発表し、現在では「クラークスと言えばワラビー」と言わしめるほどの知名度を獲得。現在もカジュアルレザーシューズのトップを走り続けています。
クロケットジョーンズ
多くの名門靴メーカーが鎬を削る、イギリスのノーザンプトンで1879年に設立されたCrockett&Jones(クロケットジョーンズ)。130年以上変わることのない伝統の靴作りの哲学を持ち、それが現在でも受け継がれ、 世界的にも最高紳士靴メーカーとしての地位を確立しているブランドです。世界中で最も多くの木型の種類を有する靴メーカーとして、靴作りのデザイン・バリエーションや素材選びについて優れたノウハウを有しているところが最大の特徴で、徹底した管理体制の下で約8週間かけて1足の靴を作り上げています。代表モデルはストレートチップのAUDLEY(オードリー)やタッセルローファーのCAVENDISH(キャベンディッシュ)など。
ジェイエムウエストン
1891年にフランスにて創業したJ.M.WESTON(ジェイエムウエストン)。素材・作り・履き心地に徹底的にこだわった革靴で高い支持を得ている名門中の名門ブランドです。肉厚のダブルソールや革自体の繊維を密にすることで傷つきにくくなっているアッパーを採用し、高い頻度で使い続けても長年履けるよう頑丈な作り込みがなされているのが特徴の1つ。また、豊富な種類のサイズとワイズを展開しているのも特徴で、サイズは4ミリピッチ、ワイズは6~7種類展開されています。メゾンとしての伝統的なスタイルを大切にしながらもそれに捉われず、進化を続けるフレンチスタイルはファッション感度の高い層から多くの支持を集めています。代表モデルは641 GOLF(ゴルフ)や677 HUNT DERBY(ハントダービー)、180 SIGNATURE LOAFER(シグニチャーローファー)など。近年では、ボートシューズをベースにしたYACHTING DERBY(ヨッティングダービー)も見逃せない人気モデル。
コールハーン
職人的な技術とモダンな要素を組み合わせた紳士靴ブランドとして、1928年にアメリカのシカゴで誕生したCole Haan(コールハーン)。ドレッシーさと高い機能性を融合させたシューズブランドとして、世界中で親しまれているブランドです。革靴ではランニングシューズさながらのソールを使った機能性抜群のアイテムから、内羽根式のフォーマルなドレスシューズまで幅広いアイテムを展開しています。
サントーニ
1975年にイタリア・マルケ州にて創業したSANTONI(サントーニ)。イタリアにおいてもイギリスにおいても、一流とされる革靴ブランドの多くが100年以上の歴史を重ねている中、サントーニはその半分以下の期間でトップブランドの仲間入りを果たしています。専門のデザインチームや80人以上の手染め部門を持ち、靴のデザインによってグッドイヤーウェルト製法やベンティベーニャ製法などの技法を使い分ける実力派。ロングノーズと細身のスクエアトゥのストレートチップや、ブランドアイコンとして人気を博すダブルバックルが定番モデルとして注目されています。
チャーチ
1873年創業の英国靴の老舗ブランドChurch's(チャーチ)。実は英国王室御用達(ロイヤルワラント)を得ていませんが、これほどまでにその名が知られているのは英国靴としての独特の風格を持っているからに他なりません。007のジェームズボンドが着用していた靴としても有名です。2000年にプラダ傘下に入って以降、伝統的なスタイルだけでなくトレンドを加味した靴も数多く手がけ、ラグジュアリー界からの評価も高まっています。2013年には表参道店を開店させ、ロンドン、パリ、ミラノ、ニューヨークに続いて5都市目となるTOKYOの文字がインソックのチャーチロゴの下に刻まれました。代表モデルはストレートチップのCONSUL(コンサル)やプレーントゥのSHANNON(シャノン)など。
ベルルッティ
1895年にパリでAlessandro Berluti(アレッサンドロ・ベルルッティ)が創業して以来、代々アーティストでもあり職人でもあるイタリア人のベルルッティ家によって受け継がれている最高級紳士靴ブランド。クラシックと伝統的技巧を絶対としながら、型にはまらない大胆さも追求し続けるアーティスティックな要素が、ウィンザー公、アンディ・ウォーホル、カール・ラガーフェルドなど名だたる著名人をも魅了してきた歴史を持ちます。抜群の伸縮性と磨くほどに輝きと味わいが増す「ヴェネチア・レザー」に色を重ねていくパティーヌと呼ばれる手法を開発し、深みのある独特な色つやを持つ革靴を生産しています。代表モデルはALESSANDRO(アレッサンドロ)やANDY(アンディ)、LORENZO(ロレンツォ)など。
トリッカーズ
一流シューズメーカーが点在しているイギリス・ノーザンプトンの中でも、180年以上という特に長い歴史を持つTricker's(トリッカーズ)。1人の職人の手によって最初から最後まで同じベンチに座って作られることに由来し、1人の職人による製造を意味する「ベンチメイド」がトリッカーズのシューズの大きな特徴です。カントリーブーツやウイングチップシューズがブランドの代名詞として有名で、チャールズ皇太子にも愛されたことから英国王室御用達(ロイヤルワラント)の称号を戴いています。厳選された上質なカーフスキンを採用しているところも特徴の一つで、特にブラウン系のレザーのエイジングは顕著で味わい深く、唯一無二の魅力に惹かれる英国ファンが後を立ちません。元々は野山を歩くことを想定してダブルレザーソールで作られたウイングチップのBOURTON(バートン)や、ブーツタイプのSTOW(ストウ)は、ブランドを代表するモデルとして広く知られています。
エドワードグリーン
1890年にイギリス・ノーザンプトンにて創業したEdward Green(エドワードグリーン)。いまや数ある紳士靴ブランドの中でも世界最高峰の地位を得ていますが、一度倒産寸前にまで追いやられた過去も併せ持っています。1983年にイタリアで靴のデザイナーをしていたジョン・フルスティック氏が借金の返済+1ポンドでエドワードグリーンを買い取り、そこからデザインに洗練さを加えていったことで見事再建し、世界中で人気を博すブランドへと成長させました。フィッティングを最重要視した抜群の履き心地は、優れた木型(ラスト)と最高級カーフを用いることで実現。名作との呼び声が高い202という木型が全ての木型のベースになっており、CHEALSEA(チェルシー)やDOVER(ドーヴァー)等が代表的モデルとして親しまれています。
BUDGET BRANDS
ジー・エイチ・バス
アメリカの老舗シューズブランド、ジーエイチバス。世界で初めてローファーを作った会社として知られています。マイケルジャクソンが舞台衣装として着用していたことも有名です。ノルウェーの木こりたちが履いていた靴をデザインソースに作られたローファーシリーズ、「WEEJUNS(ウィージャンズ)」は、同社の名作であるとともにそのリーズナブルな価格から高い人気を誇っています。
クレマン
1946年創業のフランスのCLEON社が手がけるブランドの一つ、クレマン。ミリタリースペックの基準をクリアした実用性に加えて、フランス製ならではの端正なデザインと上質な素材で、多くの人々に評価されているブランドです。流行に左右されないデザインで、オン・オフ問わず使える点も人気の秘訣。
ジョンストンアンドマーフィー
170年の歴史を持つアメリカントラッドの紳士靴ブランド、ジョンストンアンドマーフィー。ウイングチップやストレートチップ、プレーントゥ等、デザインラインアップが豊富なので、使うシーンに合わせてお好みでお選びいただけます。また本格的な作りの革靴でありながらも1万円台から手に入るというコスパの高さも見逃せないポイント。
ローク
1880年創業のイギリスのシューメーカー、Loake(ローク)。多くのロックミュージシャンが愛したことでもファンが多いブランドです。靴作りといえば真っ先に名前が上がるイギリスで作られていながら、他のブランドと比較して控えめな価格帯と釣り合わない確かな品質で人気を集めています。
カンペール
1975年創業のスペイン発のシューズーブランド、CAMPER(カンペール)。遊びのきいた色使いや、デザイナーとのコラボレーションなど、新鮮なコンセプトで新しい価値観を創造し続けています。捻りの効いたレザーシューズをお探しの方にピッタリなブランドです。
アルド
1972年にカナダ・モントリオールでスタートしたアルド。シューズとバッグ・アクセサリー類をメインに展開するブランドで、革靴はフォーマル・カジュアル問わずトレンドを取り入れたアイテムが揃います。デザイン性はもちろん、本格的な革靴が2万円台で手に入るというコスパの高さがおすすめです。